道徳という名の漢方薬

 今日もいろいろな学級の授業を見せてもらいに行った校長ですが、昨日に続いて、(実はけっこう好きな)道徳科の授業に注目しました。2年生や4年生の道徳科です。

 2年生の『つのがついた かいじゅう』の授業は、友だちが粘土で作った犬に、よかれと思って角をつけてしまったという話です。悪気はなくても、「してはいけないこと」って、ありますよね。おとなもいろいろ考えさせられます。よかれと思って席を譲ろうとしたら、「年寄り扱いするな」と怒られることもありますし、考え出すと止まりません……。

 4年生の道徳科は、『絵はがきと切手』です。友だちから送られてきた絵はがきが、料金不足だったら、そのことを友だちに伝えるか、伝えないか。

 意見が対立すると、授業は盛り上がります。伝えないでそっと受け取っておくのが優しさかもしれない。だけど、友だちが別の人にも料金不足で送ってしまう可能性もある。

 私は昔、完全にこじつけですが、「友だち」の英単語「friend」の最後には「end」がついているから、あなたが何か間違ったことをしたときに、「やめな!もう終わり!END!」と言ってくれるのが本当の友だちじゃないかというトンデモ説を語ったことがあります。また、「おまえらしいな」と言ってくれる人は、自分のことをちゃんとわかってくれる友だちだから、大事にしなさいと教わったこともあります。

 本当の友だちって、どういう人を言うのでしょうね。

 持論ですが、道徳は、漢方薬のようなものだと思います。急になにかを変える効果はなくても、じんわりと体質改善するように自分のなかにしみていくもの……。

 今、起こっているけんかをとめるのは、道徳では無理です。でも、何日、何週間、何年、何十年か先の人間関係をあたたかくしてくれるかもしれません。

 亀山東小学校のみんなに、道徳が少しずつしみていってくれますように。