ピンクシャツデー

ピンクシャツデーキャンペーンは、カナダうまれの「いじめ反対運動」です。実話から誕生しました。

ピンクシャツデーは、ピンクシャツを着たりピンク色のものを身に着けたりすることで「いじめ反対」の意思表示をする日です。

こどもから大人まで誰もが参加することのできる、シンプルなポジティブキャンペーンです。

現在は約180もの国や地域にも広まり、世界的キャンペーンとなっています。

【ピンクシャツデー運動のはじまり】

ピンクシャツデー運動のシンボルがピンクシャツとなった理由、それは、カナダの学生が起こした行動に由来します。

ピンクシャツデーとは、2007年にカナダで誕生した「いじめ反対運動」です。この運動は、「いじめ反対」のメッセージとともに、いじめの問題を個人や当事者間だけの問題ではなく、社会全体の問題と捉え、いじめの定義や、傍観者になることなどを含め、いろいろないじめの問題について考える機会となっています。
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舞台はカナダのハイスクールです。ある登校日に9年生の男子生徒(日本では中学3年生)が、ピンク色のシャツを着て登校したことをからかわれ、さらに暴行を受け、耐えきれずに帰宅してしまいました。
それを聞いた12年生(日本では高校3年生)の男子生徒2人が、いじめに反対するために何か行動しようと考えました。

「いじめなんて、もう、うんざりだ!」「アクションを起こそう!」

その日の放課後、2人はディスカウントショップへ行き、ピンクのシャツやタンクトップを大量に買い込み、その夜、クラスメートたちにメール等で、明日、一緒に学校でピンクシャツを着ようと呼びかけました。
翌朝、2人が校門でピンクシャツを配り始めると、思いもよらない光景が目に飛びこんできました。
それは、すでにピンクシャツを着た生徒たちが次々と登校してくる姿でした。ピンクシャツを用意できなかった生徒は、リボンなど、ピンク色の小物を身につけて登校してきました。

ふたりの意思は一夜のうちに広まっていたのです。

2人の気持ちは一夜のうちに広まり、2人が呼びかけた人数よりはるかに多くの生徒たちが、ピンクシャツやピンク色のものを身につけて登校したことで、その日、学校はピンク色に染まったそうです。
数日後、いじめられた生徒はピンク色のポロシャツを再び着て登校してきました。
この行動がきっかけとなり、現在カナダでは毎年2月の最終水曜日を「ピンクシャツデー」とし、賛同者がピンクシャツを着て「いじめ反対」のメッセージを送っています。

いじめに対して、学生たちは言葉や暴力ではなく行動で意思表示をしようと立ち上がったのでした。

カナダの学生たちが起こした行動が地元メディアで取り上げられると、瞬く間にカナダ全土へと広がり、アメリカのトークショーやスペイン最大の新聞でも紹介されるなどして、世界へと広がっていきました。メディアで彼らのことが紹介された翌日には、アメリカ、イギリス、ノルウェー、スイスから彼らの元へ多数の賞賛や感謝を伝えるメールが届いたといい、大きな反響が伺えます。この行動がきっかけとなり、現在、カナダでは毎年2月最終水曜をピンクシャツデ―とし、この日、学校・企業・個人を含めた賛同者がピンクシャツを着て「いじめ反対」のメッセージを送っています。

さて、本校でも、11月の児童会目標に合わせて、児童会が「いじめをなくそう運動」の一つとして、この行動に参加しています。毎週水曜日の朝は、児童会が中心となって「ピンクのビブス」と「自分たちで作った標語入りのピンクのたすき」をつけて、あいさつ運動をしつつ、いじめ反対の気持ちを全校のみんなに伝えています。

三重県でも、三重県いじめ防止条例の施行を受け、いじめの防止等に関する県民の理解を深め、社会総がかりでいじめの問題を克服していくため、同条例に規定するいじめ防止強化月間(4月、11月)に合わせてピンクシャツ運動を実施しています。